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1988年にフランス人のJ. Mathivatにより提唱された構造形式であるエクストラドーズド橋は、桁橋と斜張橋の中間的な構造特性を有しています。この橋梁形式は、大きく偏心させた外ケーブル(斜材)を用いた構造により桁橋に比べて桁高を小さくでき、斜張橋に比べて主塔の高さを半分以下にすることができる特徴を有しています(図39参照)。
以上の特徴により、この橋梁形式は支間長100~200mの中・長大橋に適しております。日本では世界に先駆けて1994年に小田原ブルーウェイブリッジにこの橋梁形式が採用されました。最近は、波形ウェブ橋やPC・鋼混合構造にも採用されています。
架設方法にはカンチレバー工法が多用されています。エクストラドーズド橋に使用される移動作業車は通常のPCけた橋施工用の移動作業車と基本的に同じですが、斜材との取合いの関係でメインフレーム数の変更、レール・車輪幅の縮小などの改造が必要な場合があります。また、カンチレバー架設終了時に既設桁上を後退移動させ柱頭部付近で解体する必要がある場合には、斜材と干渉せずに後退が可能な後退設備を組込んだ特殊移動作業車が必要となります。
H=(L/15~L/17) | H=(L/30~L/35) h=1/15 |
H=(L/15~L/17) h=L/5 |
桁橋 | エクストラドーズド橋 | 斜張橋 |
L=橋長,H=桁高,h=主塔高 |
図39 構造比較図