Answer
上部工の構造形式が、連続桁形式かラーメン形式かによって、脚頭部の構造が異なります。以下に脚頭部の各構造について説明します。
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連続桁形式の場合
連続桁形式の場合、カンチレバー架設時のアンバランスモーメントと地震時の水平力に対して、仮固定用PC鋼材と仮支承および形鋼等の仮設鋼材を用いて柱頭部(主桁)と脚頭部(橋脚)を仮固定する必要があります(図11)。これらの仮固定工は、橋体が連結された後に仮固定用のPC鋼材を解放し撤去します。また、脚頭部は仮固定用PC鋼材が配置されるので、一般に30N/mm2以上の強度のコンクリートを使用します。図11 連続桁仮固定参考図
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ラーメン橋形式の場合
ラーメン橋形式の場合は、上部工(主桁)と下部工(橋脚)は一体の構造となります。
<注意事項>
上記のように脚頭部には上部工に必要な仮設鋼材などがはいることから、通常、脚頭部は上部工工事の契約範囲になります。ただし、まれに脚頭部が下部工請負者の施工になることがあります。このようになる場合には、下部工請負者に以下の点を、工事説明書や特記仕様書にて周知することが必要です。- コンクリート強度が他の部分より高いこと
- 脚頭部内に配置されるPC鋼材に溶接の火花を飛ばさないなど、その取扱に注意すること。
- 柱頭部ブラケット支保工用(Q-11図13)の仮設PC鋼材および仮固定用鋼材等の設置時には、特記仕様書などに明記された所要の精度を確保すること。
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中空橋脚の脚頭部施工
橋脚の構造が中空構造である場合には、橋脚内部にも型枠や鉄筋を組み立るための足場を設置する必要があります。この足場は、橋脚基部から組み立てるのが標準ですが、高橋脚などの場合には橋脚頭部にブラケットを後施工アンカーで施工し、そこにステージを設置しそこから足場を組み立てることもあります。また、橋脚頂版部の施工では、図12に示す埋殺し型枠が必要となります。図12 埋殺し型枠